TECHNOLOGY
テクノロジー
弊社の「オリゴジーニー(OligoGenie™)」は新しいタイプのヒト神経幹細胞で、多くの神経疾患の治療に有効であると考えられています。この細胞及びその大量培養方法については既に日米欧を含む世界約30カ国で特許が成立しており、この特許と細胞の分化制御技術のノウハウを合わせたものが当社のコア・テクノロジーであり、一つのプラットフォームテクノロジーを成しています。弊社ではこれを用いて、再生医療製品の開発と創薬の研究を行い、さらなる新技術の開発も行っていきます。
新しい神経幹細胞「オリゴジーニー」とは?
弊社が開発した新規のヒト神経幹細胞「オリゴジーニー(OligoGenie™)」は、脳を構成する3つの主要な細胞(神経、アストロサイト、オリゴデンドロサイト)のうち、神経軸索周囲に髄鞘と呼ばれる絶縁体を作るオリゴデンドロサイトへ効率良く分化できる細胞です。
現時点では有効な治療法がない脊髄損傷や先天性大脳白質形成不全症などの多くの神経疾患に対し、弊社の ”OligoGenie” を用いて新しい治療法を提供いたします。
- 生体外(血清非存在下)でオリゴデンドロサイトへ高効率(in vitroで99%)に 分化可能
- 神経軸索の再延長を促進するポリシアル酸(PSA)を細胞表面に発現
- 生体外で培養により10億倍以上に増殖可能
- 増殖後も多分化能を保ち、血清存在下で神経、アストロサイト、オリゴデンドロサイト に分化可能
- 体性幹細胞であるためガン化する可能性がほとんど無い
- 製造コストが安い ・凍結・解凍時の細胞生存率が高い
従来技術との比較
➢ 競合他社と比べ、より高い治療効果
競合他社の神経幹細胞よりも純度が高く(>99%)、治療効果を示すのに重要と考えられているオリゴデンドロサイトへの分化効率が5倍以上高い(他社が5-20%なのに対し、当社は>99%)ため、より高い治療効果が期待できます。
➢ ES/iPS細胞由来の神経幹細胞よりも安全で低コスト
胚性幹細胞やiPS細胞から誘導した神経幹細胞やオリゴデンドロサイト前駆細胞と比べると、ガン化する可能性がほとんど無いため安全です。また分化誘導の必要がなく、大量に増やすことが出来、凍結・解凍も可能であるため、製造コストがES細胞やiPS細胞の100分の1以下とコスト優位性が高いのも特徴です。
新しい神経幹細胞”オリゴジーニー”を用いた再生医療
現在中枢神経疾患の多くには有効な治療法が存在しておらず、対症療法を行うしかありません。弊社は神経疾患で困っている多くの患者様にこのヒト神経幹細胞を用いた細胞医薬品を提供するために臨床治験の準備を進めています。
<アンメット・メディカル・ニーズが高く弊社が治療対象としている中枢神経疾患>
先天性疾患 | 自己免疫疾患 | 変性疾患 | 外傷性疾患 |
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ペリツェウス・メルツバッハ病 | 多発性硬化症 | アルツハイマー病 | 脊髄損傷 |
➢ 「脊髄損傷」に対する再生医療
スポーツ・日常生活の怪我や交通事故などの原因で脊髄が損傷されると、手足を動かす神経の通り道である脊髄が損傷され、手足の麻痺がおこるのが脊髄損傷です。 日本では慢性期の患者は10万人以上で、そのうち半数は車イスまたは寝たきりの生活を強いられています。
弊社の細胞は、損傷部位へ移植することによって「断裂した神経軸索の再延長を促進」「新しい髄鞘の再形成」「細胞保護因子の分泌」等の作用が起こり症状が改善すると考えられています。 従来医療ではリハビリ以外に有効な治療法がないとされている脊髄損傷の患者様に対して、新な治療法として期待できます。
➢ 「先天性大脳白質形成不全症」に対する再生医療
遺伝子の異常により中枢神経系の髄鞘の形成不全が起こり、大脳白質が十分に構築されない事によっておこる症候群で、生直後からの眼振と発達遅滞、痙性四肢麻痺、小脳失調やジストニアなどの症状を示します。厚生労働省の指定難病で、現時点では有効な治療法がありません。 代表的なものはペリツェウス・メルツバッハ病(PMD; Pelizaeus-Merzbacher Disease)があり、弊社ではこの疾患に対する臨床治験に向けて現在準備中です。